
NURO光で10Gにしたら、DDNSを利用したリバースプロキシが使えなくなり、Jellyfinのリモートアクセスができなくなりました。ポート開放ができなくなったことが原因です。
そこで「Tailscale」を導入してみました。設定は思っていたよりも簡単で、ポート開放をすることなくSynology NASへリモート接続できるようになりました。
さらに、Tailscaleは自動アップデートでき、HTTPS接続に使用するTLS証明書も自動更新できます。手動で更新する手間が省けるので、長く使う場合にも便利です。
Tailscaleは、接続するクライアントデバイスにもTailscaleアプリをインストールする必要があります。これをデメリットとして挙げることもできますが、私はどのデバイスがTailscaleに接続されているのかを視覚的に確認できるので、むしろ分かりやすくて便利だと感じています。
この記事は「Tailscale」のYoutube解説動画を参考に記事を書きました。Youtubeの動画を見ながら設定すると分かりやすいと思います。日本語音声切替できます。
NURO光はMAP-E方式に徐々にシフトしていくようです。
Tailscaleのインストールとアカウント作成
SynologyNASの場合
パッケージセンターから「Tailscale」をインストールする。
Tailscaleの公式サイト からアカウントを作成します。
ブラウザの翻訳機能で日本語にすると分かりやすいと思います。
ホームページ右上の「ログイン」をクリックすると、サインイン画面が表示されます。Google、Microsoft、Appleなどの認証プロバイダを利用してサインインできます。
私はGoogleでサインインしました。


※ログインすると「ログイン」→「Admin console;管理コンソール」に記載が変わります。管理コンソールをクリックすると管理画面になります。
SynologyNASに戻り、Tailscaleアプリを開くと認証を求められます。するとTailscaleの接続ページに移動するので、そのまま接続します。
Tailscale管理画面では「Machines;機械」にSynologyNASが追加されています。これで完了です。
※Youtube解説動画ではすでにWindowsをデバイス登録しているので、Synologyに接続できると説明しています。SynologyNASのDSMで使用しているパソコンのOS、WindowsあるいはMacOSの登録が必要です。NASの登録だけでは接続できません。
Windows・iPhone・androidの場合
Tailscale管理画面の右上にある「デバイスを追加する」→「クライアントデバイス」へ進みます。
Windowsの場合は、「リンクをコピー」をクリックします。リンクを開くとダウンロード画面が表示されるので、Windows版をダウンロードします。
インストール後、Tailscaleのアカウント作成時に使用した認証プロバイダ(Googleなど)でログインすると、デバイスが追加されます。
iPhone・Androidの場合は、「リンクをコピー」の上に表示されているQRコードを読み取ります。ダウンロード画面が表示されるので、アプリをインストールします。
インストール後、Windowsと同じように認証プロバイダ(Googleなど)でログインすると、デバイスが追加されます。
FireTVデバイスの場合
Fire TVのAppstoreで「Tailscale」を検索しましたが、アプリが見つかりませんでした。そこでAptoide TVから最新バージョンのインストールを試しましたが、エラーで失敗しました。
AIに相談したところ、旧バージョンならインストールできる可能性があると分かりました。そこで、Tailscaleの旧バージョン一覧から、私は2024年9月24日公開の「1.70.0(Android 8)」を選びました。
APKファイルをAndroidタブレット(またはWindows)にダウンロードし、ファイルマネージャー+でOneDriveに保存します。
Fire TV側の「ファイルマネージャー+」で「OneDrive」を開き、保存したAPKファイルをクリックするとダウンロードが始まります。
ダウンロード後、認証を求められたため、GoogleでログインするとTailscaleをFire TVデバイスに追加できました。
デバイス間のファイル移動はファイルマネージャー+が便利です。また、FireTVデバイスにファイルマネージャー+をインストールするにはAptoideTVを利用しました。


Tailscaleの自動アップデート設定
Synology DSMから「コントロールパネル」→「タスクスケジューラー」を開き、「予約タスク」→「ユーザー指定のスクリプト」を選択します。
以下のように設定します。
- 名前:tailscale-update
- ユーザー:root
- 有効:チェック
「スケジュール」は週次・日曜日に設定します。曜日は重要ではないので、都合のよい曜日でかまいません。
「タスク設定」の「ユーザースクリプト」に、以下を入力します。
tailscale update --yes
「OK」をクリックすると警告が表示されますが、そのまま進み、NASのサインインパスワードを入力します。
設定後、YouTubeの解説動画では、このタスクを一度上部の「実行」をクリックしてアップデートを確認しています。

DNS(Domain Name System)の設定・TLS証明書の発行
Tailscaleの管理画面上部にある「DNS」をクリックします。
DNS設定画面の下のほうにある「MagicDNS」と「HTTPS証明書」が有効になっていることを確認します。
画面上部には、Tailscaleから提供されたDNSアドレスが表示されています。「○○○.ts.net」のような形式で、利用できるアドレスが表示されます。
このDNSアドレスは自分で作成したり、文字列を変更したりすることはできません。Tailscaleから提供されたものを使用します。
DNSの登録とTLS証明書の自動更新設定
Synology DSMから「コントロールパネル」→「タスクスケジューラー」を開き、「予約タスク」→「ユーザー指定のスクリプト」を選択します。
以下のように設定します。
- 名前:tailscale-cert
- ユーザー:root
- 有効:チェック
「スケジュール」は月次・最初・月曜日に設定します。曜日は重要ではないので、都合のよい曜日でかまいません。
「タスク設定」の「ユーザースクリプト」に、以下を入力します。
tailscale configure synology-cert
「OK」をクリックすると警告が表示されますが、そのまま進み、NASのサインインパスワードを入力します。
設定後、「tailscale-cert」タスクを選択し、上部の「実行」をクリックします。
DSMの「コントロールパネル」→「セキュリティ」→「証明書」を開き、「○○○.ts.net」の証明書が登録されていることを確認します。登録された証明書をデフォルトに設定します。
私はSynologyのDDNSも併用していましたが、TailscaleのDNSが動かなくなる不具合が発生しました。SynologyのDDNSを削除してTailscaleのDNSを再設定したところ、正常に動作しました。そのため、私はQuickConnect以外の証明書を削除しています。
この設定により、TailscaleのHTTPS接続に使用するTLS証明書を自動更新できます。


Tailscaleで割り当てられたアドレスを確認
Tailscaleの管理画面「Machines(機械)」の「Addresses(アドレス)」で、NASに割り当てられたアドレスを確認できます。
- Tailscaleで割り当てられたNASのアドレス → 100.○○.○○.○○
- Tailscaleから提供されたNASのDNS → デバイス名.○○○.ts.net
このアドレスやDNSを使うことで、ポート開放をせずにNASへリモート接続できます。
Jellyfinにリモート接続する
Jellyfinは、Tailscaleで割り当てられたNASのアドレスを使って、
http://Tailscaleで割り当てられたNASのアドレス:8096
でリモート接続できます。
また、Tailscaleから提供されたDNSに対してSynology NASでリバースプロキシを設定(8096→8920)すると、
https://Tailscaleで提供されたNASのDNS:8920
でも接続できます。Tailscale自体が安全な接続を提供するため、Jellyfinのリモート接続にリバースプロキシは必須ではありません。
ただ、WindowsのブラウザでHTTP接続したときに「保護されていない通信」と表示されるのが気になったため、私はリバースプロキシを併用してHTTPS接続も試してみました。
HTTP・HTTPSのどちらでもリモート接続でき、どちらの場合もポート開放は必要ありません。
Synology NASにリモート接続する
Synology DSMは、
https://Tailscaleで提供されたNASのDNS:5001
でサインインできます。
また、モバイルアプリ(DS fileなど)は、Tailscaleから提供されたNASのDNSを入力してサインインし、リモート接続できます。

デバイスは電源を切るとTailscaleの接続(Tailnet)も切れます。接続確認は、各デバイスのTailscaleアプリで確認できます。デバイスが緑色ではなくグレーになっている場合は接続を有効にしないと接続できません。ご注意ください。
【追記】
まれにスケジュールタスクが実行されず、証明書が更新されないことがあります。その場合は、「タスクスケジューラ」→「tailscale-cert(タスク)」→「実行」を選択すると、手動で更新できます。DSMのアップデートなどが原因で一時的にタスクが実行されないこともあるため、定期的に更新日を確認しておくと安心です。


